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SCP-524-JP - ミギの子の方舟

ItemNumber

SCP-524-JP

Object Class

Safe Euclid

Protocol

SCP-524-JPには常時、2隻以上の船舶を最低15メートル以上の距離を保ちつつ随伴させてください。SCP-524-JPの動向は常に二名以上の目視によって監視してください。SCP-524-JPに財団と関わりのない船舶が接近した場合は、船舶を拿捕した上で乗組員全員に記憶処置を施し、船舶の各種記録機器のデータを改変もしくは破壊した上で解放してください。SCP-524-JPが有人無人に関わらず陸地に接近した場合は、SCP-524-JP-Cに警告を発し、SCP-524-JP-Bにロープをフックで固定した上で陸地から30km以上の距離を取るまで曳航してください。フックの固定や緊急時の修復作業のためならば、Dクラス職員に対してのみSCP-524-JP-Bへの乗船が許可されます。曳航の準備、物資の提供以外の目的でSCP-524-JPへの侵入は、レベル3以上の職員の許可を得た上で行ってください。SCP-524-JP-Aへの接近、乗船、及び分解は禁止されています。

Description

SCP-524-JPは材質不明の大型木造船(SCP-524-JP-Aと指定)と、八隻の木造帆船(SCP-524-JP-B1~SCP-524-JP-B8と指定)から成る、1922体の人型の実体(SCP-524-JP-Cと指定)によって操舵されている船団です。SCP-524-JP-Aは全長25m、幅8mの木造船舶で、甲板や船室の代わりに長径21m、短径7.5mの楕円形をした木製の構造体が積載されています。SCP-524-JP-Aに積載されている構造物については補遺を参照してください。SCP-524-JP-Bは、SCP-524-JP-Aとロープによって接続された木造帆船です。現在SCP-524-JP-Bは八隻存在し、いずれもSCP-524-JP-Aに財団が提供したワイヤーロープで接続されています。SCP-524-JP-CはSCP-524-JP-A及びSCP-524-JP-Bの全てに乗船している人型の実体で、SCP-524-JPの操舵やメンテナンス、漁及び漁獲物の加工などを行い、SCP-524-JPを陸地に接近させないように維持しています。SCP-524-JP-Cは平均身長165cm程度ですが、全身の皮膚が漂白され、皮下組織の肥大化により全身が膨張しているように見えます。また、人種や性別、年齢に関わらず通常の人間がSCP-524-JP-Aの半径10メートル以内に長時間接近すると、全身の皮膚の漂白、皮下組織の肥大化による膨張、生殖器の萎縮などの兆候(一連の肉体の変化を兆候524-JP-Cと指定)が生じ、最終的にはSCP-524-JP-Cとなります。変化を終了した対象は、SCP-524-JPへの乗船を欲し、いかなる手段を取ってでもSCP-524-JPへの乗船を試みます。そしてSCP-524-JP-Cの一員として、SCP-524-JPの操舵や漁獲物の加工を行います。SCP-524-JP-Cは、拾得した漁網などを用いて漁を行い、得られた魚介類を素手で解体し、骨などを取り除いたうえでペースト状に磨り潰し、SCP-524-JP-Aに注入します。取り除いた骨などはSCP-524-JP-Cが互いに分け合って摂食します。

SCP-524-JPは日本近海を漂流しており、1███年までは蒐集院により監視されていました。蒐集院ではSCP-524-JP-Cへの物的、人的支援を主軸とした収容方法を確立していました。現在の財団でも類似の手法を採用しています。195█年の疑似上陸実験により、SCP-524-JPの陸地への上陸は、大規模な生態系の汚染による該当地域全域の死滅を招くことが判明しています。

蒐集院の記録によれば、SCP-524-JPは蒐集院の発足のはるか以前から日本近海を漂流しており、各地の漁村で「みぎのこさま」「くにすなのら」「さかえびす」「ひとくらげ」(いずれも詳細な字義不明)などの名で呼ばれ、接近することを忌避されていました。また、各地の伝承でもSCP-524-JPに類似する実体が陸地に迫った時は、複数の若者を船で送り出すことで上陸を阻むという対策が残されています。このことから、過去にSCP-524-JPの上陸や、兆候524-JP-Cを伴う肉体変化イベントが幾度か繰り返されたことが推測されています。

補遺

SCP-524-JP-A計測記録

船舶全長:25m

船舶全幅:8m

積載物長径:18 21m

積載物短径:6 7.5m

高さ:5 7.5m

素材:種類の不明な木材。表面に年輪による紋様は見られない。採取された小片を解析したところ、木質化したイネ科の植物の茎に似た性質が確認された。

船舶構造:船底材に船側材を継いだ、一般的な和船構造。マストや帆は存在せず、潮流や櫂、他の船舶による曳航によって航海する。

積載物:船舶と同じ木材と、イネ科の植物の茎を撚り合わせたロープで構成されており、木材をロープで縛ることで楕球形の形を保っている。船首付近の先端に指一本が入りそうなほどの筒状の木材が差し込まれており、ここから骨を抜いて磨り潰された魚介類が流し込まれる

積載物への間接的分析:X線、赤外線による探査では、セ氏36度ほどの温度を帯びた内容物が存在することが判明。喫水線や船舶の推定重量などから、内容物の比重は水より少し軽い程度であると推測される。また、Dクラス職員を派遣し、先端の筒へファイバースコープを挿入させたところ、生物の粘膜のようなものが撮影された。

追記:195█年の疑似上陸実験後、積載物の肥大化が確認されました。

SCP-524-JP-C解剖記録

解剖対象:SCP-524-JP-C-2

解剖担当:████博士

事前検診:体表面の外傷は、回収の際の銛の貫通痕とワイヤーロープによる擦過傷と圧迫痕のみ

衣類・携行品:なし

外部検診:身長164センチメートル 体重78キログラム 全体的に肥満したような外見

解剖結果:腹部、胸部、腕、腿にメスを入れた所、いずれの個所も皮膚の下に筋肉と脂肪が入り乱れた独特な組織が構成されていた。肥満したような外見とは裏腹に体脂肪率が低いのは、この皮下組織によるものだと考えられる。内臓については、膀胱近辺に萎縮した不明な組織が存在するほかは、人間と変わりが無かった。骨格についても強度不足はあったが、ほぼすべての骨格の形状は人間と変わりが無かった。骨格と膀胱近辺の組織からすると女性だと考えられるが、断定はできない。

所見:全体的に見れば人間に近い構造である。だが、用途不明の皮下組織はもちろん、骨格的には女性に近いのに肝心の子宮などの生殖器が存在していない点が不審である。また、骨格強度が非常に不足しており、過剰な運動不足か生命に関わるレベルのカルシウム不足が疑われる点から、普通の人間であるとは言い難い

SCP-524-JP-Cへのインタビューログ

対象:SCP-524-JP-C-11(以下C-11と表記)

インタビュアー:杉山博士

インタビュー方法:SCP-524-JP-Bに乗船していたC-11をロープ付の銛で捕獲して財団の随伴船に回収し、簡単な手当の後に随伴船内の一室でインタビューを行った。

付記:C-11を含め、SCP-524-JP-Cの発話は抑揚がないので、録音記録の文章起こしに際し前後の発言内容から文字を当てている。

<録音開始>

杉山博士:インタビューを開始します。まず最初に、あなたの名前について教えてください

C-11:知らない。忘れた。帰らねば。みぎのこさま(表記不明。右野粉様、御儀鋸様か)に仕えねば

杉山博士:急に連れ出した点については謝罪します。ですが今は、私の質問に答えてください

C-11:答えねば帰れぬのならば

杉山博士:ではもう一度伺いますが、あなたの名前は?

C-11:知らない。忘れた。

[注釈:C-11はDクラス職員から兆候524-JP-Cを発症して変化した個体である]

杉山博士:分かりました。忘れたのならば仕方ありません。では続いて、あなたはSCP-524-JP-Bで何をしていましたか

C-11:船を操り、魚を取り、みぎのこさまのために仕えていた

杉山博士:それらのやり方は、他のSCP-524-JP-Cから教えられたのですか?

C-11:知っている、最初から

杉山博士:教わらずともできた、ということですか?

C-11:みぎのこさまに仕える方法は、全て知っている

杉山博士:では、あなた方は何のためにSCP-524-JPを操舵したりしているのでしょうか?

C-11:全てみぎのこさまに仕えるため

杉山博士:では、そのみぎのこさま…SCP-524-JP-Aを漂流させているのは、どういう理由でしょうか

C-11:みぎのこさまは陸についてはならない

杉山博士:ほう、それは何故ですか?

C-11:みぎのこさまの住まいは海の上。陸の上はみぎのこさまの住まいではない

杉山博士:なるほど。それでは仮に、SCP-524-JP-Cが陸地に上陸したら、何が起こるのでしょう

C-11:わからない。みぎのこさまにも分からない。みぎのこさまは今の陸に上がってはならぬと、みぎさまが定めたがため。

杉山博士:そうですか…では、話を変えましょう。あなた方はSCP-524-JPの操舵の合間に魚介類を捕獲し、加工していますね。それは…

C-11:みぎのこさまのため。みぎのこさまに捧げるため

杉山博士:では、なぜ漁獲物を加工するのですか?

C-11:みぎのこさまに骨はいらない。故に、魚は骨を抜き、身を磨り潰し、みぎのこさまに捧げる

杉山博士:ふむ…では、次の質問です。あなた方はいつごろから海を漂流しているのですか?

C-11:わからない

杉山博士:でしょうね

C-11:海が出来た頃から、陸のほとんどが出来る前からというのは分かるが、それがいつかは分からない。

杉山博士:はい?

C-11:みぎのこさまはほぼ全ての陸が生じる前より、海を漂っていた。みぎのこさまが漂い続けられるよう、みぎのこさまに仕えなければならない

杉山博士:ええと…それでは、最後の質問にしたいと思います。最後に、あなた方はいつまで漂流し続けるのか、あるいはどこかに上陸する予定はあるのですか?

C-11:みぎのこさまと共に漂いつづける。全てが海に沈み、ぎみのこ(発音ママ)が絶えるまで

<インタビュー終了>

インタビュー後記:その後、C-11の回答を要約すると、「みぎのこさまのため」となるため、これ以上のインタビューは無駄だと判断された。C-11はインタビュー後、Dクラス職員の操舵するボートにより、SCP-524-JP-Bに戻された。

追記:海が生じ、陸地が顔を出す前から漂うとは、ノアの方舟のようだ。もしかしたら連中は、ノアとは違ってどこにも辿りつけなかった方舟なのかもしれない -杉山博士



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2014-11-15 23:48:36

Tags

euclid, scp-jp, 人間型, 木製, 蒐集院,

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